音読のすすめ

英文を読む

この数年来、勉強全般で音読の効果が言われていますが、私は中学生の頃から高校を卒業するまで教科書の英文を声を出して読むことを続けていました。

 

家庭教師の生徒さんにも、長文読解の問題を解く前に、1回英文を音読してもらっています。時間の関係で1回しか読んでもらわないのですが、後は家で音読の習慣をつけるきっかけになればと思って、毎回読んでもらいます。英語が読めなくては勉強の端緒につけません。

 

私の方は、今ではさすがに英語を読むのは苦もなく読めるので、ほとんど音読はしていませんでしたが、去年、音読の力を改めて知るちょっとした出来事がありました。

 

読書会

数年前から、数人(全員英語の教員)が母校のキャンパスに月1回集まって、読書会を開いています。毎回、それぞれの専門分野の発表や、本を選んで作品について議論をしています。去年数回、声に出して輪読する機会がありました。日本でも『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』でおなじみの、19世紀英国のベストセラー作家チャールズ.ディケンズを取り上げて、小説の一節を一人1ページくらいずつ次々に読んでいきました。少人数の集まりなので何回か自分の番が回って来ました。他の人が読む英語を耳で聞きながらも、次に自分がどこを読むことになるかはっきりとは分からないので、活字を目で追いながら本から目を離さないようにして、少し緊張しながら音読を続けました。皆日本語をほとんど発することもなく、ひたすら音読に集中し、2時間が経過しました。終わった時には、ジムでワークアウトした時にはこんなではないかと思うような、快いしかし軽い疲れを感じました。

 

英米のドラマ

ここ数年、私はケーブルテレビで放映される英米のドラマにハマっています。勿論、70%は娯楽で見ているのですが、後の30%は英語のリスニングや、英語の慣用表現、最近の言葉などをチェックしたりと、やはりどうしても英語の勉強と結びつけて見ています。「英語の辞書の話」でも書いたのですが、時折日本語が出てくると嬉しくなります。"emoji" (絵文字)は既に英語の辞書に入っているのは有名ですが、"miso soup" (みそ汁),"senn-cha"(煎茶),さらには "kuki-cha" (茎茶)が登場人物たちの口から出てきた時にはびっくりしました。日本食ブームは本当なのだと知りました。

 

 

読書会の後で

ディケンズ音読会を終えて、帰宅の途に着きました。横浜に住んでいるので、都内のキャンパスから家まで約1時間半かかります。

帰宅してすぐ、テレビのスイッチをつけると何かのドラマが放映されていました。映画やドラマではネイティブ・スピーカーがナチュラルスピードでセリフを言うので、完璧に聞き取れるレベルまではまだまだなのですが、驚いたことに、いつもより良く聴き取れるのです。これは2時間ほど前まで、日本語の世界を離れて、ディケンズの小説をひたすら音読し、英語の構文の世界に浸っていたことが原因に違いありません。

音読の効用

たった2時間の音読がこんなに良い効果を及ぼすとは思ってもみませんでした。この嬉しい予想外の影響を生徒さんにも体験して欲しいと思います。

 

そうなんです。毎日2時間は無理でも、毎日5分くらいなら続けられるのではないでしょうか。自分の好きな英語の文章や会話文、あるいは長文の試験問題でも何でもいいのです。19世紀のディケンズの文章であっても、元のところは英語という言語の大きな世界の中に入っているのですから。

 

音読を続けることによって、リスニングだけではなく、スピーキングにも応用可能となります。英語の構文を繰り返し音読していることで、リスニング、スピーキングどちらにでも、その構文を即座に応用することが出来ます。毎日英語に触れているということは、英語の世界の周辺で自分がスタンバイ状態になっているということです。

英語の音読。ぜひやってみて下さい。数ヶ月後には驚くほどの効果が現れますよ。